GIS 事例

交通まちづくり技術研究所様の事例:GISを利用したシミュレーションシステムで、より効率的かつ効果的な都市・交通計画の検討・検証をサポート

株式会社交通まちづくり技術研究所 代表取締役 飯田祐三 様

道路交通整備計画などに欠くことのできない交通シミュレーション。(株)交通まちづくり技術研究所は、GISベースのシステムを利用して、様々なシミュレーションを行い、結果出力や集計、分析、レポートを作成。可視化により、都市・地域計画に向けた検証・検討を容易にしている。

お客様プロフィール

設立:平成15年10月17日
資本金:10,000千円
所在地:〒651-0087 神戸市中央区御幸通2-1-6 ジェイルミナ神戸三宮305
TEL:078-261-9561
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(株)交通まちづくり技術研究所は、交通計画を単にニーズに対応するための手段としてではなく、技術や制度の変革を通じて社会をより高レベルに成長させる戦略的な手段として捉えている。そのため、市民との合意形成のための技術サービスに重点を置くとともに、技術動向や応用領域に関する情報収集や分析に力を入れ、さらには法制度や教育等の仕組みの変革にも目を向けながら幅広い技術サービスの提供を実現している。

導入の背景

交通まちづくりは、問題解決型のアプローチを採る場合が多い。参加と協働による問題解決型のアプローチでは、問題に対して参加者が共通の認識を持ったうえで対策案の作成や評価に主体的に係わることが重要である。そのため、現状認識や計画評価のための資料にも、客観性のみならずわかりやすさが求められる。

特に、稠密なネットワークを形成する都市内の道路では、複数要因が重なりあった結果交通問題が発生するため、着目交差点のみを見ても原因が理解できない場合が多い。また、対策案の評価においても、改善される問題とされない問題が案によって微妙に異なるような場合、総合評価が難しいことも多い。

交通まちづくり研究所では、独自の交通シミュレーションシステムのデータ入力支援として、豊富な作図機能を持つGISソフトウェア「SIS」を採用。多岐にわたるデータを重ね合わせることで(オーバーレイ)、さらに多様な複合情報が取り出せるよう、座標を共通化している。

交通シミュレーションの活用事例

システムの機能

同研究所が利用しているミクロ交通シミュレーションシステム「VISITOK」は、以下のソフトウェア群から構成される。

VSSについて

VSSは、交通シミュレーションの実行に必要なデータの作成を支援するために開発されたVISITOK専用ソフトである。

交通シミュレーションの画面上で、航空写真をバックに、道路上を車両が走行し横断歩道上を歩行者が動く、あるいは信号があるべき場所に表示されるといった画面表示を実現するには、別々に作成される図の座標が共通化されている必要がある。

例えば、上図の走行路を航空写真とオーバーレイするには、位置合わせに必要な原点やX,Y軸の傾き、縮尺の違いを同時に調整する必要があるため、非常に困難である。

VSSはこの問題をSISを利用することで克服。GISの持つ座標共通化技術を用いて、位置合わせや座標化の煩雑さの軽減を実現している。

VSSは、一部のデータを入力すれば自動的に残りのデータを補完しデータ作成を行う機能を備えている。例えば、走行軌跡のデータは、セクションの座標を入力すれば、それを中心に車両属性のデータから幅や長さを補完して自動的に作成可能。また、車両走行経路のデータも、端点を指定すればSISの最短経路探索の機能を使って自動生成できる。

VSSは、画面上で確認しながら作図すれば自動的に属性データが作成できるグラフィカルユーザインターフェースを備えている。

業務実績例

  • 市民参加型交通まちづくりツールとしての活用
  • 国道BPにおける一部区間の車線増設効果の検証
  • 再開発に伴う駅前地区交通計画・都心街路の車線減少に伴う影響検討
  • 都市計画道路の整備効果検証及び新設に併せた周辺交通運用方針検討
  • ミクロ交通シミュレーションを活用したバス運行改善施策の検討
  • 都市計画道路の供用に伴う国道交差点の改良協議
  • 交通社会実験の予備検討
  • 公共地下通路整備による効果検証
  • 下水道工事に伴う影響検討

システム選定のポイント

  • 同研究所は以下の点を評価してGISソフトウェア「SIS」を導入した。
  • カスタマイズ性が高い点
  • 対応するファイルフォーマットが多い点
  • 簡単かつ高度な作図機能を備えている点(CADと遜色のない豊富な作図機能を備えている点)

導入効果

SISを導入したことで得られた効果は以下のとおりである。

  • 処理の自動化によるコスト軽減化
  • 業務の質の向上、業務の高度化

「SISは正確かつ精緻な図を作成することができる点がすばらしい。作図線も滑らかできれいに仕上がるため、成果物や業務の質が大幅に向上した。さらに、人や物の動きを表現するには高精度な位置情報が重要になってくるが、SISを使えば簡単に作図できるうえ、色々な情報を重ね合わせて表現(オーバーレイ)できて便利。」(飯田氏)

実際、各種検討会などでSISの豊富な作図機能を使って分かりやすく視覚化したレポートを見せると、出席者から具体的な意見が出やすくなるという。さらに、交通事故発生率を減少させるシミュレーションを見せる際にも、SISで作図したデータがデータベースに蓄積されているため、きれいで分かりやすいシミュレーション画像を短時間で作成できるという。

今後の展開

今後は、交差点情報をライブラリ化し、SIS上における道路網データの作成をより一層効率化することも検討したいとのことである。

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