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東京都港区様の事例:「疎結合型」の統合型GISを目指して ~各課の要件をゆるやかに連携 日々利用されるGISへ

1つのGISにあらゆる機能を取り込む「密結合型」の統合型GISから、オールラウンドな統合型GISを構築。住民サービスの向上、オープンデータ化の活用を模索

港区 総務部 情報政策課様

東京都港区様では、1つのGISにあらゆる機能を取り込む「密結合型」の統合型GISから、オールラウンドな「疎結合型」の統合型GISにリプレイスを実施。住民サービスの向上、オープンデータ化の活用を模索しています。このたび、地図情報システムを導入された背景や利用効果などについてご担当者様にお話を伺いました。

お客様プロフィール

人口:257,506人(令和3年(2021年)12月現在)
世帯数:146,143世帯(令和3年(2021年)12月現在)
面積:20.37 ㎢
所在地:〒105-8511 東京都港区芝公園1丁目5番25号
職員数:2,225人(令和3年(2021年)4月現在)
港区ホームページ

港区は多くの企業が本社を構える区の一つで、虎ノ門・新橋などのオフィス街、青山・赤坂・六本木などの商業地、麻布・白金台などの住宅街、汐留・台場などの大規模開発地区等、個性的な町を抱えています。江戸時代から武家屋敷が多く立地していたことから、現在は文化財や史跡、駐日大使館が多く所在し、芝公園・白金台の自然教育園などの緑豊かな公園・緑地も多く、多様な表情を持っています。

導入の背景

港区は、東京の都心に位置し、台場、六本木、汐留、麻布十番といった人気のスポットや、青山、麻布、赤坂、高輪、芝浦などの個性豊かな街並み、歴史を感じさせる文化財や史跡等、伝統的なものと、近代的なものとが調和した都市です。

また、空の玄関、羽田、成田と直結し、東京港や、新幹線・品川駅により全国と結ばれるなど利便性に富み、多くの大使館や、世界に向けた情報発信の要が立地しています。

港区では平成16年(2004年)3月から統合型GISが稼動を開始しましたが、システムのサポート期限が到来したこと等の理由からリプレイスを検討しました。

既設システムでは、清掃事務所におけるごみ集積所(10,000箇所以上)の位置情報の管理システムとしての利用が最も多く、数mおきに配置されている繁華街地区(新橋、六本木等)の集積所をはじめ、大型高層マンションの集積所、戸別訪問収集が必要な高齢者・障害者宅等多様な集積所を抱え、新設や統廃合等で入れ替わる情報をGISで管理していました。

また、庁内にはGISとは別に、区立公園(約150箇所)等の施設や樹木の維持管理のための公園管理システムも稼動していました。このシステムは、施設等の保全作業に関する台帳の管理を目的としたものでしたが、この機会に両システムを同一のシステムに統合すべく新しいGISの導入を検討しました。

導入にあたっては、多数の事業者から情報収集したり、セミナーに参加して比較検討しました。

導入時重視した点

GISをメインで利用しているごみ集積所管理業務と公園管理業務にとって使いやすいパッケージ製品であることが要件でした。特に公園管理業務については、既設システムで管理していた各種データの移行がスムーズに行えることを重視しました。

庁内には多数の内部情報系(LGWAN接続系)端末と住民情報等の個人情報を扱う行政情報端末の2つがあり、両者の端末でGISを利用できるようにするには多くのセキュリティ上の制約をクリアする必要があったため、複数のシステム事業者に動作検証を依頼するなど調査・調整に時間をかけました。さらに将来的に他の個別GISと連携できることも要件としました。

導入から運用開始までの経緯

  • 平成26年(2014年)6月:検討開始
  • 平成26年(2014年)7月:RFI実施(Request For Information)
  • 平成27年(2015年)2月:RFP実施(Request For Proposal)操作体験会/プロポーザルプレゼン実施、業者選定
  • 平成27年(2015年)4月:キックオフ
  • 平成27年(2015年)9月:納品

システム選定したポイント

プロポーザルにあわせて実施した実機での操作体験会にて、インフォマティクス社製統合型GISパッケージ(GC Planets)の処理スピードの速さ、操作性の高さ等を評価し、導入を決定しました。

特に、庁内端末で使用しているMicrosoft Officeと同じリボンインターフェースが採用されており職員に馴染みやすい画面設計であった点も選定のポイントになりました。

システム概要

庁内端末台数:2,400台(うち内部情報系端末:1,700台)、同時接続可能台数:50台という規模で、主に区内5支所(芝地区、麻布地区、赤坂地区、高輪地区、芝浦港南地区)の土木部門での公園施設管理業務、および、清掃事務所(区内1箇所)でのごみ集積所管理業務における日常的な利用が前提となっています。

既設システムの稼動から約10年ぶりのシステム更改となり操作体系が大きく変わったことから、導入時の操作研修は職員200人を対象に「基礎編」「応用編」「公園等管理編」の3つのプログラムを用意し、丁寧に行いました。

また、利用者数の多い清掃事務所については、インフォマティクスの技術者がハンズオン形式で直に現地端末で操作研修を行いました。操作研修は導入後も年1回実施しています。

導入効果や製品・サービスの評価

各総合支所、街づくり部門での公園管理業務、清掃事務所でのごみ集積所管理業務で日々データ更新するなど大変高い頻度で使用しているほか、区民協働部門や保健福祉部門等で地図を利用したデータ管理業務を行っています。

導入当初には利用者から既設システムからの変更点について問い合わせを多く受けましたが、インターフェースがシンプルであることから比較的スムーズに操作の習熟度が向上した印象です。

既設の公園管理システムで管理していた図面、帳票、写真等の多量のデータの移行作業において、データによっては主管課との調整を要する場合があり、それが導入時苦労した点の1つだったのですが、インフォマティクスの協力もありクリアすることができました。

また、インフォマティクスからの提案により区内5支所の地区割境界図を整備したところ、保健福祉、建築、都市計画の関係部署からデータ利用を検討したいとの問い合わせがあるなど、利用範囲が徐々に広まっています。

システムトップ画面

業務管理システム(清掃事務所)画⾯

公園管理システム画⾯

今後の展開

今後は、庁内の既設個別GISとのデータ連携を進めるとともに、より多くの部署に統合型GISを利用してもらえるよう、研修やPRを通じた利用拡大を目指しています。

また、庁内で保有する施設情報や防災設備情報等の地理空間情報を統合型GISに取り込み、全庁的に共有することや、オープンデータ化し広く区民に利用していただくといった活用方法も検討しています。

 

記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
本記事は平成28年(2016年)11月現在の情報を元に制作されたものです。閲覧時には変更されている場合がありますのでご了承ください。

製品・サービスに関するご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください、お気軽にお問い合わせください


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