Case27.表現の秘訣は「絵筆(色鉛筆)」
京急緑地開発株式会社 市来敬子氏
Piranesi&MicroGDSアワード2010 2位受賞作品
神奈川県横須賀を拠点とする京急緑地開発株式会社は、個人邸・オフィス、店舗などの外構から、街並の計画、フラワーショップ経営など、緑に携わる事業を幅広く手がけている。Piranesi&MicroGDSアワード2010で見事2位を受賞された市来敬子氏は、主にCADやCGを使った画像の作成、街並の提案などを担当されている。
「今回のパースのテーマである『園林』は、学生時代の研究テーマだったのですが、京急緑地開発は京浜急行電鉄のグループ会社で、『鉄道』と『園林』が似ているんじゃないか、という気もしており、このテーマを選びました」と市来氏。「鉄道」も「園林」も共に、トンネルのように別世界に通ずる穴であり、さらに鉄道の「線路」、「園林」の回廊の構図には流れの美しさが垣間見られる、と語る
制作過程
モデリングは造園CADのRIKCADを使い約20時間、レンダリングにはPiranesiを使い約7時間で行った、という本作品の制作過程を伺ってみた。
1.遠景と近景を分ける手法を取ったので、まずは遠景の作成を行う | ![]() |
2.石や植物を点景で入れて、あとは映り込みで水を表現 | ![]() |
3.アートスタイルの「色鉛筆」で遠景らしく薄く加工(遠景の完成) | ![]() |
4.遠景と同様、RIKCADから出力した近景のEPixを加工していく | ![]() |
5.遠景と同様、アートスタイルの「色鉛筆」を使い、近景らしく濃く加工 | ![]() |
6.遠景画像を背景に流し込んで完成 | ![]() |
また、最終的に色鉛筆(絵筆)の表現に到達するまでの試行錯誤した画像などもご紹介いただいた。「Piranesiで輪郭線を出したり、白塗りにしてエッジを際立たせたり、奥の画像を入れて、ガーゼの表現をしたり、いろいろ試してみました」という市来氏。Piranesi V6.0で新たに登場するレイヤ機能についても、表現のバリエーションが豊富になり合成が簡単にできるようになる、と大変楽しみにしているという。
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色鉛筆の表現が秀逸
「業務で作成している画像は、すべてRIKCADで作成したデータをPiranesiで加工しています。Piranesiでの表現は一部『水彩画』がありますが、ほとんど『色鉛筆』を使っています。広告の場合、どうしてもPiranesiでしか表現できない柔らかさを要求されますし、また、点景も加工しながら一緒に入れられるので、とっても便利に使っております」と語る市来氏。だが、以下の作品を見ていくと、Piranesiの柔らかさが必要ということにも確かに納得がいく。今後、この色鉛筆による表現が、新バージョンによりどのように進化していくのか大変興味深い。
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