量子コンピュータと聞いて、「耳にしたことはあるけど全く想像できない」「何だかよくわからない」と思われた方が多いのではないでしょうか?SF好きの方なら、量子テレポーテーションという言葉から、瞬間移動やワープを思い浮かべたかもしれません。
昨今、ニュースで量子コンピュータが頻繁に取り上げられるようになった背景には、国内外で研究開発が加速していることがあります。政府の統合イノベーション戦略により、量子技術を研究開発するための中核8拠点が設置され、相互連携の体制も整備されてきています。
現時点では実ビジネスへの利用段階には至っていませんが、クラウドサービスで利用できるようになったことで、部品物流の最適化(業務改善)※1や、ECサイトでの顧客体験の最適化(画像認識や自然言語処理によるマッチング)※2に量子コンピュータを活用する実験プロジェクトもスタートしています。
そんな量子コンピュータの研究開発の最前線で活躍されているのが、「空間情報シンポジウム2021」で登壇いただく東京大学大学院 工学系研究科 教授 古澤明氏です。
講演では、独自手法による実験成功でノーベル物理学賞の候補にも挙がった古澤氏から、自身のプロジェクト内容を紹介いただくほか、実験成功に至るまでのエピソードもお聞きいただけます。
量子コンピュータの理論がある程度わかっていて、量子技術に興味がある人に向けた内容ではありますが、コンピュータやIT技術に興味のある方にとっても、最先端技術の一端に触れるまたとないチャンスですのでお見逃しなく。
古澤氏の基調講演は約50分のライブ配信。皆さまからの質問にその場でお答えする時間も設けていますので、ぜひお気軽にご質問ください。
《情報参照元》
※1「グルーヴノーツとトヨタ自動車九州、量子コンピュータを活用した業務改善プロジェクトを開始|量子コンピュータを駆使した補給部品物流の最適化に着手」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000042403.html
※2「GMO-SC:ECサイトでの量子コンピュータ活用に向けblueqatとGMOシステムコンサルティングが協業」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003172.000000136.html
講演情報
「量子テレポーテーションを用いた大規模光量子コンピューター」
東京大学大学院 工学系研究科 教授
理化学研究所 量子コンピュータ研究センター 副センター長 古澤明 氏
7月13日(火) 13:10~
主催者からの追伸
先日ご挨拶のため古澤先生の研究室に伺った際に、先生がお書きになった本を紹介いただきました。私にとって光量子コンピューティングは全く未知の分野のお話なので、先生の本を読んで予習しておこうと思います。
量子という言葉に苦手意識をもたないでほしい。理屈はどうあれ、「実際、こういうものだ」と受け入れる気持ちをもつことから始めよう。
『光の量子コンピューター』「はじめに」より