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GIS活用事例|品川女子学院

品川女子学院での地史まっぷの活用

「生徒たちが興味をもったテーマを一番簡単に地図化できるのが、地史まっぷでした。」

都内にある私立中高一貫校の品川女子学院の教諭 河合豊明先生は、2022年度より必修化される「地理総合」だけでなく、選択科目となる「地理探究」の学習内容を見据えて、 すでに高校2年生の地理BでGISを取り入れた授業を実施しています。元々GISに精通されていた河合先生は、 地理に関心を高い生徒に、地史まっぷで作成した地図を用いたレポート作成を指導。作成したレポートは学会発表するなどして、積極的に活用しています。 

品川女子学院

河合豊明先生

所在地:140-8707 東京都品川区北品川3-3-12 
設立 :1926年 
学生数: 616高等学校のみ 2020年度 
学校長:仙田直人

https://www.shinagawajoshigakuin.jp/

1925年(大正14年)に荏原女子技芸伝習所として創立、1991 年(平成 3 年)校名を「品川女子学院」に変更し 2004年(平成16年)には中高完全一貫制スタートさせました。 大学に進学できる知識の習得だけでなく、大学・大学院を卒業して28才になったときに、社会で活躍している女性となるような教育を実践しています。 高校は、2014年から文部科学省のスーパーグローバルハイスクールに指定されています。 

背景

河合先生元々地理専攻であったこともあり、2021年度の学習指導要領改訂で「地理総合」が必修になることに高い関心をお持ちでした。 また、地図や地理に興味のある生徒いたこともあって、インフォマティクスの教育向けGIS「地史まっぷ」が発表される以前から空間情報シンポジウム(インフォマティクスが例年開催)でその機能に触れる機会がありました。 

授業の内容・課題

2020年度のカリキュラムでは、高2「地理B」の授業のうち、2学期の週1時間(または隔週1時間)程度、コンピュータルームでGISを使用する機会があるそうです。まず、生徒たちにGISを理解してもらうために、導入としてOHPで地図のシートを重ねてレイヤの概念等を理解してもらい、その後、地理院地図、Google Earthを利用、RESAS(地域経済分析システム)で統計データを閲覧、そしてインフォマティクスの地史まっぷを使用した授業を行っています。さらに、興味のある学生を対象に、町づくり/観光/医療/福祉等のテーマで、自身の住んでいる町や関連のある町の統計データを用いて、統計データだけで偏った見方をしない「だまされない地図」を作成するという課題を出しています。

地史まっぷで作った地図を利用したレポート作成 学会に提出

そんな中、元々医療に関心があり、地理Bは未履修である高校1年生の有志が、医療の地方偏在と女性医師の問題のニュースに興味を持ち、地史まっぷを使用して「医師/看護師の地方偏在」を表現する地図を作成することに挑戦しました。具体的には、厚生労働省や日本病院会が実施している統計調査(CSVデータ)を地史まっぷに取り込み、主題図で色分け表示します。
まだ地史まっぷを使用したことのない生徒でしたが、上級生に操作方法を教えてもらいながら地図を作成しました(下記地図)。生徒が考察したい内容を的確に表現できており、河合先生の勧めで、予定より1年前倒しして「医療従事者の地域偏在と働き方改革」というレポートを作成し、日本地理学会の高校生ポスターセッションにエントリしました。

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医師の地域偏在推移(都道府県/全国平均*100,都道府県ごとの塗り分けは2018年 )

国家試験合格者と研修医の採用実績 

男性医師の地域偏在(2018-2002年) 

女性医師の地域偏在(2018-2002年) 

看護師数の地域偏在

(上記地図を地史まっぷにて公開しています クリックすると地図が表示されます

【参考資料】井田仁康 編『「地理総合」の授業を創る』p72-81,Global health consulting「Gem Med」医療提供体制改革シリーズ,江原 朗・宮本恵弘「地方間における研修医の流入・流出について」日医雑誌142-6 ,自治医科大学「地域医療白書」2002,2007,2012,2017,日本病院会「勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査報告書 2019年度」,厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計」「医療施設調査」,鈴木 昌「専攻医の都道府県分布に関する検討」医学教育50-3 p225-235,厚生労働省医政局医事課「医師の臨床研修医の採用実績」,文部科学省「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査の結果」

地史まっぷの良さとは

地史まっぷの一番の魅力は、単純な「地理の教科書」とは違って、生徒たちが興味をもったテーマを好きに地図化できる点だそうです。自由度が高く、データを扱う操作が簡単であり、様々な地図にオリジナルの地図を重ね合わせて表示することができます。これまでは複数の地図を重ねて表示することが難しく、地図をスクリーンショットに撮り、アナログ的にそれらを見比べていたそうですが、地史まっぷではレイヤとして複数の地図を重ね合わせ、さらにレイヤの切り替えが自由にできるので、格段に「気づき」を得やすかったそうです。

地史まっぷを操作する河合先生

さらに、基本的な操作を教えれば、あっという間に習得してしまうのは今どきの高校生ならでは。先生が細かく指導しなくても、生徒たちが自由に表現をしてくれることが楽しみに感じたそうです。

今後の展望

河合先生は、2022年度より必修化される「地理総合」だけでなく、選択科目として始まる「地理探究」見据えていらっしゃいます。地理総合では地図や地理情報システム等に関わる汎用的な地理的技能の習得が目標となっていますが、地史まっぷは「地理総合」の「自分たちで考察しよう」という段階で使いやすいだけでなく、より地誌的考察や探究的な視点が求められる「地理探究」向きでもあると感じたとのことでした。 

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