事例記事

大学ゼミ授業へのGIS活用事例|摂南大学

摂南大学 理工学部 住環境デザイン学科 榊 愛 准教授

WebGISサービス「GC Maps」導入経緯

コロナ禍の遠隔授業であっても、「GC Maps」を使ってクラウド上で地理空間情報を共有
Microsoft Teamsとの併用で、オンラインでも対面さながらの臨場感あふれる授業を実現

摂南大学寝屋川キャンパス1号館

白尾国橋 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=88803362による

所在地:〒572-8508 大阪府寝屋川市池田中町17-8(寝屋川キャンパス)
設立:1975年
学生数:8,448人(2020年5月1日現在)
https://www.setsunan.ac.jp/

1922(大正11)年に技術者の育成を目的として開校された関西工学専修学校を淵源とし、1975(昭和50)年には工学部(現・理工学部)を設置した摂南大学を開学。2020年4月現在は8学部17学科6研究科を擁する総合大学となっています。1クラス10人程度の少人数ゼミ教育が特長で、きめ細かい指導により、学生一人ひとりの個性と能力をじっくりと育んでいます。

背景

榊准教授が所属する理工学部 住環境デザイン学科 空間情報デザイン研究室では、CAD・CG・GIS(地理情報システム)などの空間情報技術を駆使して、さまざまな情報を分析、可視化し、より安全・快適な住環境について研究しています。

2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震では、迅速に収集した地理空間情報を、被災者や支援者に向けてインターネット公開することで、多くの人の生活や命をつなげた事例が多く見られました。

榊准教授の研究室では、以前からデスクトップGISを使用していましたが、災害発生時に場所やデバイスを問わずに使用でき、必要な情報を迅速に収集できるクラウド型のGISの重要性にも注目していました。

GC Mapsの選定理由

2020年4月7日に発令された新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言により、大阪府に所在する摂南大学も例にもれず5月末まで休校の措置が取られました。2020年10月現在、対面授業を一部再開し、オンライン授業やオンデマンド授業も同時に続けられています。

5月の時点で、遠隔授業の導入の検討と同時に、先に注目していたデバイスを問わないクラウドGIS導入の検討を開始しました。導入にあたってはデバイスに関わらず操作性が良いことを重視し、モニター利用で「入力~可視化~公開」を円滑に行うことができるインターフェースだと確認できたことが決め手となりました。

十分な準備期間が持てない中にあっても、わかりやすいインターフェースであることがスムーズに導入できた大きな要因であったといいます。

授業の内容・課題

大学1〜3年生の少人数ゼミ(リアルタイム型双方向オンライン授業)でGC Mapsを使用しています。
約2時間の授業では「自分の愛着のあるまちを対象に、来訪者に役立つ地図をつくる」という課題を実施しました。

 

遠隔授業のイメージ ゼミ授業用ポータル画面
クリックするとポータル画面が表示されます

地図にないものの地図★甲子園
クリックすると地図が表示されます
地図にないものの地図★通学に役立つ情報
クリックすると地図が表示されます

学生からは

・甲子園:野球観戦に来る人のための道路混雑情報マップ
・学校周辺:交通注意箇所マップ/最寄り駅からのルートマップ/学生にお勧めの店舗マップ
・堺:だんじり好きな人のためのだんじり小屋マップ

などの愛着のあるまちの特徴を生かしたテーマが提案されました。

授業では、GC Mapの操作方法を10~15分程度説明するだけで、学生たちはすぐに作業できたそうです。コロナ禍にあって、自宅での学習時間が長かったので、学生たちからは「他者(来訪者)のことを想像しながら地図をデザインしたり作ったりする作業が楽しかった」との意見が聞かれました。

また、学年によってはグループワークを実施しました。1人のGC Mapsの画面を共有してMicrosoft Teams経由でアイデアを出し合い地図を完成させていく様子は、対面授業さながらの臨場感あふれる授業になりました。

課題の成果

「限られた時間での課題だったが、学生たちが、自分が良く知るまちを見直して課題や魅力を発見する機会になったのではないか」と榊准教授は語ります。コロナで遠方への外出が難しい時期だったので、身近なまちに目を向け、魅力再発見の良いタイミングだったかもしれません。

「クラウド型のGISを用いた授業の実践により、今後の発災に備えて、地理空間情報を迅速に発信・活用できる人材の育成につながったのではないか」と、将来に期待するご意見もいただけました。

今後の展望

榊准教授は「クラウドGISと聞くと運用や管理が難しそうなのでためらっていたが、今回の遠隔授業をきっかけに挑戦したところ、予想以上に円滑に実施できた」と語ります。

コロナ禍で急遽遠隔授業が導入されるなど、学生の学習環境の変化は大きかったと思われますが、GC Mapsを使用した授業の取り組みは、榊准教授をはじめ、学生達の「学びをとめない」という強い意志を感じました。

-事例記事

© 2020 地史まっぷ by 株式会社インフォマティクス|Informatix Inc.