春日部市 総合政策部 情報政策課
情報企画担当
藤田尚征様
春日部市では、統合型GIS の再構築にあたって、庁内でGISを使用していた建築・道路部門をはじめ、スムーズな全庁システムへの移行を実現。特に操作スピード等の機能向上を達成することができました。
公開型GISでは、庁内用GISとのデータ連携や市民投稿が可能な「生き物調査マップ」をリリースするなど、有効な活用が図られています。
お客様プロフィール
ふじ通りの藤
面積:66 km²
人口:232,400人
世帯数:109,905世帯
所在地:〒346-8501
埼玉県春日部市中央六丁目2番地職員数 1,971名
春日部市ホームページ
※人口、世帯数は令和4年8月現在
職員数は令和4年4月現在
春日部市は、埼玉県東部にあり、都心まで約1時間とアクセスの良い場所に位置し、5月開催の「大凧上げまつり」や国の特別天然記念物である「牛島の藤」、人気アニメの舞台などで知られています。
令和6年に予定している新本庁舎の開庁や春日部駅付近連続立体交差事業を進めており、新たな賑わいの創出が期待されています。
また、今年度から新たにデジタル推進担当を設置し、行政サービスの利便性向上、業務の効率化を図っていく予定です。
特産品「麦わら帽子」と古利根公園にて
導入前の課題
春日部市では、2010年(平成22年)に職員が利用する庁内用地理情報システムと、地図データを市民に公開する公開型地理情報システムからなる地理情報システムを導入しました。
システムの運用を開始してから10年近くが経過した中で、庁内からは「操作のスピードが遅く利用しづらい」、「地図と台帳が連動しておらず、見たい情報をすぐに地図上に反映できない」「作図・編集がしづらく、データ更新が滞ってしまう」「各課・係で割り振られた人数しかログインできない」「庁内での情報共有が十分にできていない」といった課題があがっていました。
そこで、地理情報システムの特性を活かし、行政内部事務の能率向上や簡素化につながる事務の効率化を図り、職員相互の共通理解につながる情報の共有化を推進することによる更なる経費削減を目標とした、全庁的なシステム導入の検討を開始しました。特に、建築課が使用していた建築GISを、全庁横断的なGISとしてリプレイスすることとし、建築部門向けの機能の要望を満たすことを要件としました。
加えて、データ移行も含めた円滑なシステム切替を実現し安定的に稼動するとともに、必要な情報を提供することで、より質の高い行政サービスを市民へ提供することも目的としました。
導入~運用までの経緯
- 平成30年(2018年)9月
リプレイスに向けて予算要求 - 平成31年(2019年)3月
業者選定 - 平成31年(2019年)4月
システム構築開始 - 令和元年(2019年)9月
システムの全機能が利用開始
システム選定したポイント
プロポーザルには3社がエントリーし、審査には主管課の情報政策課ほか、現行のGISを主に使用していた道路、建築ほか、複数の担当者が参加しました。
インフォマティクス社のGISは表示スピードが速くストレスを感じないこと、作図や編集が直感的な操作で行えること、公開型GISに投稿機能があることなどが評価され、選定されました。
製品・サービスの評価
新システムへの移行に伴い、これまでGISを活用していなかった部署でも積極的に地図データを作成するようになりました。
導入前にインフォマティクス社が実施した操作研修で、新システムは、直感的な操作で作図等が容易に行え、業務への活用が期待できると理解してもらえたことが大きいと思われます。また、全庁的な利用が可能になりながら、表示スピードも早くなったことで気軽に使ってもらえるようになったのも理由の一つと考えられます。
現在でもインフォマティクス社を交えての相談会を実施するなど、多くの部署で活用が検討されています。
導入効果
旧システムの利用部署からは、表示速度が格段に上がったと評価していただいています。また、情報政策課が窓口となって開催している相談会では、システム保守担当による直接サポートを受けられ、それを機に使い始めた部署もあるとのこと。
インフォマティクス社営業担当が利用部署に出向くフォローもあり、今まで業務とは無関係と思われていた部門からも問い合わせがあるなど、庁内でGISの利用が広がってきています。
アクセス件数
- 令和2年度
庁内型:38,332件
公開型:22,787件 - 令和3年度
庁内型:45,365件
公開型:33,255件
相談会実施件数
- 令和元年度 … 5件
- 令和2年度 … 6件
- 令和3年度 … 3件
かすかべオラナビ メニュー
生き物調査マップ(スマートフォン版) ※画像を一部加工しています
春日部市統合型GIS 導入時に整備したデータ
庁内用地理情報システム
- 建築関連・建築申請データ
- 都市計画基本図、都市計画関連データ
- 航空写真
- 道路台帳附図ラスタ
- 住宅地図
- 街路灯
- 道路照明灯
- 農業振興地域
- 空家等情報
- 指定道路
- 地番図
- 登記情報データ
公開型地理情報システム
- 公共施設
- 学区
- AED
- 医療機関
- 介護施設
- 観光情報
- 浸水ハザード情報
- 浸水実績
- 震度想定情報
- 建物倒壊危険度
- 液状化危険度
- 道路台帳図
今後の展望
庁内型GISについては、積極的に活用をされている部署と活用されていない部署の差が大きく感じられるそうです。情報政策課では、庁内掲示板などで気軽に相談を受け付ることを周知はしているとのことですが、自部署でどのような活用ができるかが分からない部署もあると思われるため、具体的な活用事例を提示するなどして、より多くの部署に活用してもらえるようにしていきたいと考えているそうです。
また、DXの推進に伴う全庁的なペーパーレス化を機に、紙で管理をしている図面や台帳などをGISに取り込むことで、新たな地図データの創出や全庁的な情報共有のデータベースとして活用していきたいと考えているとのことです。
記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
本記事は2022年9月現在の情報を元に制作されたものです。閲覧時には変更されている場合がありますのでご了承ください。