埼玉県戸田市

市長の特命により、平成15年4月、戸田市総合政策部IT推進室が発足、プロジェクトチームとしてスタートした。必要最小限の予算で、効果的なシステムを着実に構築したIT推進室だが、運用開始に至るまでにはさまざまな工夫と努力の積み重ねがあった。
統合型GIS「いいとだマップ」は、平成21年度LASDEC電子自治体ベストプラクティスに選出されました。(ベストプラクティスに関する情報:財団法人地方自治情報センターホームページ)


お客様プロフィール
戸田市役所 庁舎

人口:122,151人(2010年3月現在)
面積:18.17k㎡
所在地:〒335-8588 埼玉県戸田市上戸田1-18-1
TEL:048-441-1800
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埼玉県戸田市は、東京都に隣接しており、交通の利便性や住環境の快適さから、平成14年には、人口11万人を超え、今日も増加している。パートナーシップでつくる人・水・緑 輝くまちとだ’を目指し、夢のある安心なまちづくりにITを積極活用している先進都市である。


導入の背景

統合型GISの導入は、戸田市情報化推進計画である「e-Todaプラン」を策定した際に行ったアンケート調査やヒアリング調査がきっかけであった。調査では、個別GISを導入したいという要望が各課から続出。具体的には、都市計画情報支援、固定資産課税台帳、道路台帳管理、上下水道台帳管理、公園台帳管理システムが要望としてあがった。しかし、個別にシステム整備を行うと二重投資が発生することは明らかであった。

そのため、戸田市では、e-Todaプランの一環として統合型GISを整備することを政策として決定。統合型GISを整備する目的としては、総務省の指針が有効であると判断した。しかし、これだけでは庁内利用の域を出ないため、IT推進室では、庁内で整備した後に公開できる情報を市民にも提供して「市民サービスの向上」を目指すことを最優先事項とした。


戸田市の統合型GIS整備目的

導入までの経緯

システム導入前の平成13年度、IT推進室が最初に行ったのは、統合型GISへの取り組み方の研究であった。まずは、総務省や経済産業省などが主催するセミナーに多数参加して情報を収集。さらに、民間事業者の統合型GISへの取り組み動向を把握するために、企業主催のセミナーにも数多く参加し、GISの動向を入念に調べた。

平成14年度には、統合型GIS整備計画書を策定。GISの勉強会を合計8回にわたり開催。GIS企業各社の出展による庁内展示会も実施した。各社のデモンストレーションを実際に職員が目で見て、触れることでより理解を深められるようにした。予算確保の面では、市単独の事業費で行わないために、総務省に計画書を提出。結果的に情報通信格差是正事業費補助事業にも認められ補助金を確保することができた。システム導入前の費用を必要最小限に抑えるため、自らの足で積極的に情報を取りに行くと同時に、自らのところに集まるように工夫を凝らした。これにより、IT推進室が統合型GISの導入前に費やした費用は、最小限で済んだという。

仕様書作成の段階では、GIS専門業者各社からの提案書、見積り書、製品カタログの収集を行った。また、ハードウェアメーカーからも見積りをとり、客観的なGISコストも把握。ハードウェア費用についても、Webのオンライン見積りと業者から提出される見積りとを比較した。

GISの選定については、プロポーザル方式を採用し各社のGIS提案を審査した。その結果インフォマティクスのSISを選択、システム構築に着手した。システムの導入過程では、月1回以上はプロトタイプを持参させ、進捗度を確認。プロトタイプは、毎回2日間ほど留め置いて庁内で検証。リクエストした機能がイメージどおりに備わっているかなどをチェックした。またインフラに起因するトラブル発生も想定し、実機を用いたネットワークでの動作確認も入念に行った。また、システム操作のスキルアップも兼ねて職員を対象とした操作研修会を開き、そこで出た意見をもとに運用時における問題点を整理していった。


戸田市統合型GISの導入経過


導入方針

GIS導入を検討しているユーザーは、一様にGISは難解なものというイメージを抱いている。しかし「GISは紙地図と同じ。用途は、紙地図を扱う場合と同じ。デジタル化されているので、管理は効率的」という意識で、T推進室は、一歩一歩自分たちのシステムづくりに取り組んでいった。システム構成は、検討の結果、個別GISを別々に運用するのが効率的だと判断。最終的に個別GISを統合型GISと連携するデータ分散・連携型とした。データ構築については、担当課ごとに利用しやすい課独自の精度があるため、構築手法の選択は各課に判断をゆだねた。ただし、二重投資にならないよう、完成したデータは統合型に集約し、全課での利用を促した。


図 データ分散連携型 GIS


今後の展開

現在、いいとだマップが市民に提供しているサービスは、公共施設、病院、診療所案内やバス路線案内など多岐に渡っている。今後は、地図を利用して市民から意見収集を行い、要望に応える場を作っていきたい、とIT推進室の担当者は語る。市からの情報提供として、インターネットを利用した「都市計画情報システム」などの構築も予定している。

いいとだマップ運用開始後は、職員からの不満も特になく、スムーズに運用されている。運用面における今後の課題として、インターネット側の情報提供では、Webアクセシビリティ対応の強化を進めている。IT推進室は、Web全般の管理も行っているため、市民サービスを向上させる上でいかにホームページを利活用していけるかということも検討課題にあげている。一方、イントラネット側では、基図を作成する上でのハイブリッド型の地図データ構築手法の確立、また職員のスキルアップや個人情報保護の問題などを優先課題にしている。


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