(財)大阪市都市型産業振興センター(経済調査室)

(財)大阪市都市型産業振興センター 経済調査室 様

(財)大阪市都市型産業振興センターでは、大阪市の人口や企業などの分布状況をビジュアル化し、将来的な産業振興施策に向けた基礎資料制作を効果的かつ効率的に行うためにGISを活用している。


お客様プロフィール

所在地: 〒541-0053 大阪市中央区本町1-4-5 大阪産業創造館13F
TEL: 06-6264-9816
設立: 2009年4月
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(財)大阪市都市型産業振興センター/経済調査室は、2009年3月に解散した任意団体「大阪都市経済調査会」の機能を継承する組織として同年4月、同センター内に新たに設置されたセクションである。外部の協力機関、研究者等とのネットワークを活用しつつ、大阪経済の全般について幅広い角度から斬り込み、独自の調査研究、情報発信を行っている。


導入の背景

現在、産業振興施策をはじめとする地域行政政策の効果的な実施が従来以上に求められており、そのための基礎情報として、社会・経済要因や産業/企業の立地・経営状況をきめ細かく把握することが重要となっている。このため、公表されている町丁目データ、および企業情報データベースなどを用いて大阪市における人口や産業/企業などの分布状況を可視化・分析するツールとしてGISの導入を決定した。


システム選定のポイント

導入にあたっては、以下の点を高く評価した。
・SISの普及率、知名度が高い点
・操作性が良く、扱いやすい点
・データの互換性に優れている点
・保守サービスの質が高い点


システム構成

GISシステム

地図化した各データから、企業の集積状況や業種別分布状況などを地理的に調査、分析するためのツールとして、インフォマティクス社のGISソフトウェア「SIS Map Manager」を採用した。


使用データ
企業情報データ:東京商工リサーチのデータベース(TSR企業情報ファイル”CD・Eyes50”)から、分析目的に応じて対象地域、対象業種の企業データを抽出し、本社住所に対してアドレスマッチングを行い、GIS上での位置を特定
町丁目別データ:統計センター(e-Stat)のWebサイトから国勢調査統計(H.17年)のデータをダウンロードし、その境界データを利用して地図化。また、大阪市データネットで提供されている事業所・企業統計や工業統計のデータを、町丁目名称をもとに境界データとマッチングさせて地図化

運用

体的なシステム構築ならびに運用に際しては、NPO法人 GIS総合研究所の協力の下、行っている。以下は、SISを使ってビジュアル分析した例である。


■町丁目単位で捉えた人口分布特性  
世帯規模(世帯あたり人員)の特性
需要者としての人口の分布状況
■町丁目単位で捉えた産業構成のエリア別特性  
駅からの距離と就業地域との相互特性
住工混在問題の可能性からみた特性
■産業別にみた集積状況の地域分布特性  
製造業の詳細業種別の集積状況
卸売・小売業の詳細業種別の集積状況

導入効果

経済調査室では、GISを利用することで以下のような成果が得られたとしている。

従来は、地域の社会経済活動や産業集積状況を区レベルでしか把握できなかったが、GISを利用することにより、区よりも詳細なレベルでも把握できるようになった。
例えば、町丁目レベルの統計を活用することで、ミクロな分布が把握できるうえ、同一区内でも多様性が得られた。また、企業情報をポイントデータとして表現することで、例えば企業による経営指標の格差をプロットするといったことが可能となり、町丁目単位の集計値(合計、平均など)では把握できない多様性を明らかにすることができた。
GISシステムの特徴的な機能を利用することで、会社本社と駅の直線距離を算出するなど、手作業では不可能な分析を容易に実現することができた。

今後の課題・展望

経済調査室でのこれまでのGIS活用法はデータ中心型)アプローチが中心だったが、今後は利用可能なデータを一層充実させ更新していくとともに、多角的な観点かつミクロな視野から問題発見につながるような分析を加えることで、課題解決型なアプローチのテーマに応用していく予定である。

また、わかりやすく可視化した分析結果を経済調査室のWebサイトなどで公開することを通じて、行政側のみならず企業側への有益な情報提供を行い、継続的な情報更新に努めるとともに、他の自治体や国交省・経産省、大学・研究機関などとの情報交換を進め、レベルの向上を図っていきたい。


経済調査室でのこれまでのGIS利用では、手近な利用可能データを使ってきた。例えば、密度計算においては町丁目境界から面積を算出して使用したが、淀川沿いや国道沿いの町丁目では産業活動や居住に利用できる実質的な利用可能土地面積の割合が他に比べて少ない。そのため、密度が薄められて計算され、結果的に誤解を招く可能性がある。このことから、今後は河川、道路などを除いた実質的な土地利用面積データを使用するよう改めていく必要がある。

また、経済分野におけるGIS活用のノウハウが不足しているため、今後はケーススタディの積み上げも必要である。


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