東京都立三田高等学校

東京都立三田高等学校

昨今の生徒児童に関わる事件・事故の多発傾向を受け、地域や学校機関において安心安全活動への取り組みが広がってきている。東京都立三田高等学校も、取り組みの一環として、防災・防犯意識の向上を目的とした授業を以前から取り入れてきた学校の1つである。今回、生徒自身がWebGISを利用し防災マップを作成するという試みを行なった。


お客様プロフィール
三田高等学校 校舎

開校:1923年
所在地:〒108-0073 東京都港区三田1-4-46
TEL:03-3453-1991
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大正12年(1923年)、東京府立第六高等女学校として開校した三田高校は、1950年4月、男女共学・定時制併置の新制高等学校としてスタート。当時、女学校では珍しく制服に洋服を採用したことをはじめ、修学旅行、スキー教室の実施、室内温水プールの設置など、先進的な取り組みを行ってきた。個性的な人材を多数輩出しており、卒業生には画家、歌手、学者、大学教授など、各界で活躍している著名人も多い。


導入の背景

近年、生徒による地域防災への貢献度を見直す活動が活発になっている。生徒も、守られる立場ではなく、災害に対して自身を守り、地域の支援にあたるだけの知識と能力を求められている。その一方で、各地域の教育委員会も、学校での防災や防犯活動を支援しており、児童の防災・防犯意識の啓蒙を図っている。

こういった教育機関における危機管理意識の高まりを受け、インフォマティクスは、防災・防犯意識の向上を目的とした授業を取り入れている東京都立三田高等学校と協働プロジェクトを実施。3年生の生徒を対象に、GISの実証実験として「情報共有支援WebGIS」を使った防災マップ作成を試みた。


運用

まず、防災・防犯コンテンツについての収集・登録を行った。従来、教育委員会や自治体等が作成してきた紙地図の代わりにWebGISを使い、生徒の視点で収集した街の情報を登録。これにより、学校内あるいは区市町村の学校間、さらには自治体と学校間での情報共有が可能となり、自治体がより最新かつ詳細な情報を提供できるようになることを目的とした。使用したWebGISは、目的以外の機能は排除し、登録アイコンについても、防災・防犯活動に特化したものだけを装備した。

三田高校では奉仕活動の時間が設けられていたため、その時間に定時制の生徒9名がWebGISを利用し、近隣の福祉施設の防災マニュアルと防災マップを作成した。また、防災・防犯コンサルティング兼本活動のコーディネータである(有)クライシスインテリジェンスの浅利眞氏に、防災に関する基礎知識の講義をしていただいた。予備知識を得るための事前学習としては、防災に関する書籍を準備し生徒に読んでもらったほか、自治体をはじめ様々な防災関連のWebサイトを閲覧し、要介護者を対象とした災害時の対応について調査した。

校外活動では、グループごとに対象エリアを決め、危険性の高い箇所を調査した。なお、この調査は夜間ということもあり、反射服を着用し懐中電灯を所持したほか、各グループに大人が付き添うなどして、不審者と間違えられないよう配慮した。

防災マニュアル・防災マップ作成の活動スケジュールは以下のとおりである。

日程 時間数 内容
9月26日 1 導入講義 災害と災害対策
10月10日 2 災害対策について考えるワークショップ
10月17日 1 構成と役割分担を考えるワークショップ
10月24日 1 予備知識を持つための調べ学習 1
10月31日 1 予備知識を持つための調べ学習 2
11月7日 2

今までの学習の第一次発表
11月14日 1 第一次発表の修正と地図の作り方についての講義
11月21日 3 校外活動:まちの災害対策基礎調査
11月28日 2 まとめ作業:パソコンに入力
12月5日 1 防災マニュアル作り
12月19日 2 防災マニュアル作り、地図修正
12月23日 1 防災マニュアルの出来上がり、成果発表、全体の振り返り

情報共有支援WebGISの利用については、ほぼ全ての生徒が、5~10分程度取扱説明書を読んだだけで操作を習得した。一部、街歩きで収集した情報とPC上の地図との位置関係が掴めず若干時間を要した生徒もいたが、その生徒も徐々に電子地図の操作に慣れていった。


情報共有支援WebGISの画面
情報共有支援WebGISの画面

 

システムの概要

以下のような機能装備により、当初の導入目的はほぼ達成された。

・CRTの大型化 → 図面を大きく表示
・ダブルクリックによる図面の中心移動 → 操作が迅速
・操作内容のアイコン化、マウスホイールでの拡大縮小表示 → マウスのみによる操作
・検索機能(マウスクリック3回までで可能)
・プロッター印刷 → 大図面印刷が簡単
・JPEG、TIFF形式への図面書き出し → 図面利用が広がる
・既存図面をコピーして貼り合わせ、システムを構築
・表示図面を細かく刻んだ → 動きがスムーズ
・更新図面のみの差し替え → 更新費の軽減
・データ共用化 → 全庁的な拡張利用
・マイレイヤーの構築 → 自分のマイレイヤー情報を公開し、それを他人がコピー利用
・合併後の道路台帳図の統合が容易

それぞれのデータに 対して簡単に属性を付けることができるので、例えば環境業務課のデータを検索すると、ごみ収集日、デイケアセンターの登録受付日、施設の休館日といった詳細情報を閲覧できると同時に、そういった情報を簡単に入力することができる。


システム利用例
構造物/路線/舗装情報の検索/照会
コスト軽減のため各自で情報入力(緑地帯/ミラー/街灯の入力)
構造物/路線/舗装情報の検索/照会
コスト軽減のため各自で情報入力
(緑地帯/ミラー/街灯の入力)
   
経年変化の比較
合併後の道路台帳図
経年変化の比較
合併後の道路台帳図
   
属性の設定
マイレイヤー公開情報どうしを結合
属性の設定
マイレイヤー公開情報どうしを結合


導入効果

防災意識、危険回避能力の向上を目的とした防災マップは、通常、紙ベースで作成される場合がほとんどである。今回の実証実験により、WebGISを利用した点検マップ作成には、以下のようなメリットがあることがわかった。

1)

情報は電子データとして登録されているため、紙地図のような「劣化」が発生することがない。また、以前登録した情報を画面表示することができるため、毎年の活動の効果を画面上ですぐに確認できる。

2)

実際に街歩きをして情報収集(フィールド調査)し、自分で登録していくため、自治体から配布された地図をただ見るだけに比べ、周辺状況のイメージが掴みやすく、記憶にもしっかり残る。

3)

防災マップの作成に特化したシステムのため、特にマニュアルを見なくても直感的に操作できた。また、使用者に負担がかからないよう、機能も必要最小限に抑えられているため、詳細な説明を受けなくてもすぐに操作できた。

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