岐阜県各務原市

岐阜県各務原市 都市戦略部情報推進課 今西幹男様

各務原市は、平成17年度に「Webマップかかみがはら」を構築して以来、システムの可用性とデータの鮮度を第一にGISの運用を行ってきた。現在、庁内横断的な地図データの利用や各種台帳のシステム化、新しい技術やデータセンターの活用など、新たなGIS運用にも取り組んでいる。


お客様プロフィール
千葉工業大学 芝園キャンパス 校舎

人口:145,430人(2011年8月1日現在)
面積:87.77km2
所在地:〒504-8555 岐阜県各務原市那加桜町1丁目69番地
TEL:058-383-1111(代)
岐阜県各務原市ホームページへ

岐阜県南部、濃尾平野の北部に位置し、中山道の宿場町として栄えてきた各務原市は、近年、岐阜市や名古屋市のベッドタウンとして発展を遂げてきた。「夢ある都市 - 元気な各務原市の発展 -」をキャッチフレーズに、「公園都市・共生都市・快適産業都市」をまちづくり政策の柱に掲げる同市は、「各務原市民公園」をはじめ多くの公園緑地を所有。2005年には公園都市日本一「緑の都市賞」内閣総理大臣賞、2009年には住みよい都市国際コンクール銀賞・世界第3位を受賞するなど、その豊かな自然と都市機能を調和させ、あらゆる産業が活力を生む元気で美しい都市づくりを着実に進めている。



導入の背景

各務原市でのGISへの取り組みは、大まかに以下の項目から成る。

組織横断的な地図データの利用
庁内業務情報として必要性拡大、自机上での情報取得
システム部門による地図調達一元化
コスト効率の見直し、設計部門の負担軽減、鮮度の維持
様々な台帳管理のシステム化
  位置情報との連携、データベースとしての効果絶大
新しい技術の活用、運用
  機能改良の取り組み、技術の陳腐化を防ぎ、手間を省く工夫
データセンターの利用
  公文書の電子化拡大に伴う必要性、可用性・完全性・機密性の確保

統合型GIS整備への取り組み
統合型GIS整備への取り組み

組織横断的な地図データの利用

平成15年度~16年度、地図データ活用の観点から地図情報電子化への要望が高まった。その背景には以下のような要因があった。
・ 地図データを利用する機会が増えた
・ 設計などの背景に簡単に地図を利用したい
・ 図面は常に最新の状態に更新されていて欲しい
・ 紙図面の場合、縮尺や切り貼りが面倒である

上記の要望を受け、システム部門から統合型GIS構築構想の実施計画が提出された。その際、以下の3つをシステム構築の目的とした。
・ 地図データの組織横断的な利用を図る
・ 全職員間での利用と特定部門の職員間での利用を一元化する
・ 地図更新の成果を全庁的に活かす

電子地図への移行に伴い、従来、地図更新の時期や範囲、要件がバラバラなため、各課ごとに行っていた地図更新や調査、作図などの作業を共通化し、効率化を図った。さらに、地図データ調達についても、これまでは必要な部署が個々に行っていたが、システム部門が一括して調達、管理することとし、効率化とコスト削減を図った。


運用

各務原市では、平成17年度のシステム構築以来、執行:システム部門、監督:主管課という役割分担で全庁横断的な地図更新事業を行ってきた。それに伴い、システム部門と各課とで更新定例会を開催し、課題・進捗について情報共有を行った。

利用者から出された様々なリクエストに対しては、行政情報化委員会でのシステム審議やGIS部会での専門的な審議を経たのち、必要性が認められたものについて1つ1つ改善を行った。

■利用者からのリクエスト
・ 地図表示領域が小さい
・ ベクトルの編集ができない
・ Javaランタイムはインストールしたくない
・ 地図の印刷部分が指定できない
・ イメージの出力ができないか?
・ 地図リストが多すぎてわかりにくい
・ 過去の地図と比較したい
・ 地図スクロールのメニューは要らない

■改良への取り組み
・ Ajax技術(非同期通信)の利用
・ Javaランタイムの非利用
・ IE単体での使用
・ 地図リストの編集機能(マイメニュー)
・ IEのウィンドウサイズ変更
・ 高画素モニターへ対応
・ 表示色のパレット追加
・ 多機能のベクトル入力

新しい技術の活用・運用
■表示色の変更
整備年度の異なる2つの地形図を自由な表示色で重ね合わせて表示。
右の画面は、H20年度の現況は赤で表示、H21年度時点は青で表示。
道路整備の経年変化が良くわかる。
  表示色の変更  
       
■上下2分割、左右2分割表示
異なるレイヤー表示設定で、2画面表示が可能。
右の画面は、H21年度とH20年度の現況を同時表示して比較。
マスター画面と同期して拡大・縮小・スクロールが可能。
・ 新旧現地の調査として
・ 施設の地物調査として
 

上下2画面分割


       
右の画面は、H21年度とH18年度の空中写真を同時表示して比較。
道路整備以前の状況を確認できる。
マスター画面と同期して拡大・縮小・スクロールが可能。
・ 建設地の環境資料として
・ 資産税の調査資料として

左右2画面分割

 

導入効果

システム部門による地図調達一元化

紙地図から電子地図への移行後、庁内横断的に自席のPC上で共通の地図情報を利用できるよう、地図の種類と区分を明確にした。

 

区分
地図レベル
地図種類
1
標準表示
( 汎用的に使用頻度の高い地図)
2500、10000
都市計画基本図
1000
現況平面図
1500
住宅地図(ゼンリン)

 

1/8000の空中写真(オルソ画像)
2
選択表示
( 各業務に特化した主題図)
2500
都市計画用途地域、都市計画道路、路線網図、都市計画総括図、 自治会、建築物高さ制限、景観地区/重点風景地区、国勢調査調査区、風景地区
1000
道路台帳図、建築指導図、公共・街区基準点
3
権限表示
( 権利関係に影響のある主題図)
1000
地番割付図、家屋配置図
2500
S46都市計画図(既存宅地)

 

S46空中写真

各部署が別々に行っていた地図調達を、システム部門が一括して行うことで、効率アップとコストダウンが実現した。


様々な台帳管理のシステム化

台帳情報は、必ず住所などの位置情報を属性として持っているため、位置情報に座標を設定することで、台帳と地図を連携することが可能となった。これにより、データベースとしての台帳の機能が向上し、サービス対象者の把握や対象区域の対象物の可視化、行政サービスの問題解決の迅速化が実現した。これは、人員削減の流れのなか、業務効率化に大きな効果をもたらした。

 

台帳
図形情報
内容
1
道路台帳
路線ライン
路線の検索や調書情報
2
基準点管理(点の記)
設置ポイント
区域内の基準点検索
3
建築指導支援
路線ポリゴン
建築確認の接続道路確認
4
災害時要援護者台帳
居住ポイント(手作業)
災害時要援護者の情報管理
5
家屋台帳、土地台帳
家形ベクトル、筆ベクトル
賦課情報、問合せ対応

 

例:道路台帳

・路線名による検索、路線表示
起点、終点、路線ラインを強調
・該当路線の調書
供用開始日などの公示の概要
区間ごとの延長、現況などの区間情報
・区間、幅員などの路線情報
区間ごとの幅員横断表示
路線の検索
調書の表示
幅員横断の表示

データセンターの利用

オンライン3法以降、様々な公文書、図書、帳票の電子化が拡大し、主な取り扱い対象が紙から電子データへ移行した。それに伴い、データの管理・保管も、従来のような保管庫(紙台帳)からサーバなどの機器へ移ったが、自前でサーバを所有するとなると、万一に備え、原本の安全確保や地震・火災・停電への対策、空調設備などを準備する必要がある。その点、インターネット経由でデータセンターのサーバを利用すれば、そういった対策が不要で、災害発生時でも業務継続が可能となる。さらに、ネットワーク監視などのiDCサービスも利用できるというメリットがある。


■岐阜県情報スーパーハイウェイ接続

岐阜県情報スーパーハイウェイ接続


今後の展望

今後もシステム部門と主管課との更新定例会を通して、全庁的に利用する地図データの整備や台帳情報の電子化・システム化などについて検討し、「Webマップかかみがはら」を拡充し、今以上の利用促進を図っていきたい。

お問い合わせ・資料請求

Webからのお問い合わせはこちら

お電話によるお問い合わせ: 044-520-0850