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続々々 SIS講座 空間情報クラウドの幕開け

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ザ・コンサルタント - 高木君がゆく、GIS地域分析への道

ラストミッション  幸福地区分析指令。総合評価で候補地を選定せよ!

<前回までのあらすじ>
コンサルティング会社に勤務して2年目の高木君が、上司の花村課長の指示の元、クライアントからの出店候補地選定をすべくGISシステム「SIS」とデータに向き合っています。前回本紙面では、各店舗の商圏を作成し、商圏ごとの人口を求めました。今回は他のさまざまな指標を取り入れて総合評価し、候補地を選定します。いよいよ大詰め!ラストミッションの成果にご期待ください。

今回の高木君のミッション

総合評価で候補地を選定せよ。

やること

SISで利用する機能

1. 駅の乗降客数を図化する 「ポイント」作図()、「主題図」
2. 世代別人口を図化する 「オーバーレイ追加」、「主題図」
3. 他の商業施設を入力し、位置関係を把握する 「ポイント」作図(
駅のポイントを作図して乗降客数を表示せよ!

高木君の作業

乗降客数は、Webサイトをはじめとする各種情報にあたれば分かるだろう。あとは背景データをもとに駅のポイントを作図して属性を追加すればOKだ。店舗情報の入力と同じ手法が使えるな。これも一目で分かるように主題図で表現しよう。できたぞ!

高木:
課長、駅のポイントを作図して乗降客数を設定しました。乗降客数はWebサイトなどをあたって、何とか調べがつきました。一目で分かるように乗降客数別に色分けし、具体的な乗降客数もラベル表示しました。
花村:
これは重要な指標だね。やはり乗降客数の多い主要駅付近に既存店が多いね。地図上で見ると、これらの位置関係が掴みやすい。各駅からの等距離ルート範囲(凸包ポリゴン)も図化しておいてくれ。
高木:
はい。

 

駅からの等距離ルートということは、通勤や通学で最寄り駅まで歩くことを想定すればよいわけだな。駅まで徒歩で…10分くらいかな。歩く速度を時速4km(分速67m)とすると、670mだ。各店舗の商圏を図化したときと同じ方法がとれるぞ。(図1)

図1 駅の乗降客数

図1 駅の乗降客数

年齢・世代別人口データで分析せよ!
花村:
高木君、ここに国勢調査のメッシュデータがあるから、これもSISに取り込んでくれないかな?候補地選定には、この人口データも重要な指標になってくるんだ。
高木:
わかりました。表現はどのようにしましょうか?
花村:
そうだね。切り口はいろいろとあるけど、まずは年齢・世代別の人口を指標にしたいんだ。主題図で表現できるかな?
高木:
はい。やってみます。

 

コンビニエンスストアの主要顧客は、年齢層でいうとやはり15歳以上65歳未満といったところか?この人口が多い地域(メッシュ)が分かるように、レンジ主題図を作成しよう。他の世代との比率も分かった方がいいな。これは、世代ごとに棒グラフの主題図を作ることにしよう。(図2)

図2 年齢・世代別の人口

図2 年齢・世代別の人口

高木:
課長、人口データを取り込めました。15歳以上65歳未満の人口に焦点をあててみましたが、主要駅の周りがやはり人口の多い地域となってます。
花村:
そうだね。赤色のメッシュ地域には既存店も多いね。過密状態なのかな?
高木:
分かりませんが、出店候補地を選定する際は過密地域を避けるか過密地域に入っていくか判断が分かれるところだと思います。
花村:
なるほど。そうだね。コンビニエンスストアにおいては、商圏内の人口規模がやはり最も重要な指標だから、候補地としては過密地域であっても人口規模の大きい地域になるだろうね。
大・中規模商業施設を入力して位置関係を把握せよ!
花村:
高木君、最後の指標だ。幸福地区内の大規模・中規模商業施設の位置を図化してくれ。
高木:
はい。近辺にスーパーやデパートなど商業施設がある方が集客が見込めるということですね?
花村:
そうだ。商業施設には人が集まるからね。コンビニエンスストアの前を通行する人が増えれば、衝動来店が見込めるよ。
高木:
大規模商業施設とコンビニエンスストアでは来店の目的が違いますから、大規模商業施設が近くにあるのは好材料ですね。コンビニエンスストアは24時間営業で深夜も営業していますし。

高木君は、商業施設の登録に取りかかった。

 

登録は簡単だ。これまで何回も使ってきたポイント作図でOKだろう。シンボルはやはり一目で分かるように×マークにしよう。×シンボルはSISの標準ライブラリにあるから、これを割り当てればOKだ。(図3)

図3 大・中規模商業施設(×シンボル)

図3 大・中規模商業施設(×シンボル)

高木:
課長、できました。これですべての指標が揃いました。
花村:
よし。まずは重ねてみよう。
高木:
はい。GISならではの機能ですね。

高木君はこれまで作成した指標を重ね合わせてみた。(図4)

図4 すべての指標の重ね合わせ

図4 すべての指標の重ね合わせ

花村:
こうしてみると、幸福地区の外観がよくわかるね。
高木:
そうですね。出店候補地の選定はどのようにアプローチするのがよいでしょうか?
花村:
そうだね。いろんな切り口はあるけど、やはりシンプルに考えるのがいいよ。つまり、優先順位の高い順にこういうことだ。
  • 人口規模が大きい地域であること(出店候補地の商圏内になるべく多くの人口があること)
  • 駅までの徒歩圏内であること(駅は乗降客数が多いほどよい)
  • 出店候補地の商圏が既存の自店の商圏となるべくオーバーラップしないこと
高木君、これらの視点で候補地を何点か絞ってみてくれ。
高木:
わかりました。SISで図化しているので、数値上からだけでなく、空間的に候補地を絞ることができますね。

 

まずは人口規模だな。これは国勢調査のメッシュ図でなるべく赤いメッシュを選べばよい。つぎに駅の徒歩圏だ。これも各駅からの等距離ルート範囲(凸包ポリゴン)を作成済みだからこの範囲内にくるように…乗降客数も色分けラベル表示しているから、主要駅も一目でわかる!最後に既存の自店商圏となるべくオーバーラップしないようにするには、自店からのピンクの等距離ルート範囲(凸包ポリゴン)を見ればよいことになる。そうすると…候補地は…2地点ある!よし、これを報告しよう!(図5)

図5 候補地2地点(赤星マーク)

図5 候補地2地点(赤星マーク)

高木:
課長、図の赤星マーク2地点(①と②)に絞り込みました。①②ともに人口規模の大きい地域であり、乗降客数の多い主要駅の徒歩圏です。違いは、①は商業施設に比較的近接しているけれど既存の自店商圏とオーバーラップする面積が大きい、②は商業施設に近接はしていないけれど既存の自店商圏とオーバーラップする面積が小さいといったところです。
花村:
そうか、難しいところだね。①と②で以前集計した商圏人口を出してみよう。ここで得られる人口で優先順位を付けることにしよう。
高木:
はい。以前に使用したスキーマ計算式のある集計用オーバーレイがあるのでそこに等距離ルート範囲(凸包ポリゴン)とクッキーカットで図形を作成するとよいですね。簡単です!

 

いよいよ最終局面だな。集計用オーバーレイは作成済みだから、ここに①と②の等距離ルート範囲(凸包ポリゴン)を作成するだけで、インタラクティブに集計できる!どんな数値になるか楽しみだ…。できた!(図6)

図6 候補地2地点の商圏人口

図6 候補地2地点の商圏人口

高木:
課長、結果が出ました。SISでの結果をご覧ください。
花村:
なるほど、よくわかるね。出店候補地としては、①が最有力で次に②だね。
高木:
はい。得られた商圏人口を見ても、①は以前出した幸福地区の商圏人口集計(既存店)の最大値(最大人口)を上回っています。
花村:
そうだね。①は商圏人口集計の指標からも有力な候補地と言えるね。よし、①を最有力出店候補地として推薦することにしよう。 高木君、やったね!これでナイスマート社へのすばらしいレポートをまとめることができるよ!作業ご苦労さま。
高木:
ありがとうございます。無事、ラストミッションを終えることができました。今回の調査・評価業務は、SISの機能をとても有効に使うことができました。分析データの構築から分析、集計、表現まで、すべてスムーズにできました。これからのコンサルティング業務においても最大限有効活用できると思います。

ここまでで、高木君が学んだこと

  • SISはポイントとポリゴンの包含関係を簡単に把握できる!
  • SISはポリゴンどうしのオーバーラップを瞬時に判定できる!
  • 集計用オーバーレイで作図・集計を動的にできる!
  • SISは空間的要素を加味した分析・集計に最適!

花村課長のつぶやき

高木君は、私がつきっきりで操作を指導したわけでもないのに、SISを難なく使いこなして有効な指標を出してくれた。やはり、直感的で高い操作性を持つSISを使用したのは大正解だったな。従来の出店候補地選定は統計情報等の表やグラフをもとに分析していたが、SISを使ったことで、地域・商圏の空間的現状を見ながら分析できて、とても有効だった。さぁ、①の候補地が最有力とわかったら、ナイスマート社への最終プレゼンテーション資料をまとめることにしよう。

おわりに

今回はコンサルティング企業ハッピーリサーチ社を舞台にして、活用例を交えながら、SISの特長をご紹介しました。花村課長と高木君のやり取りや、思考・つぶやきを参考にSISの分析・集計機能をぜひ体感してください。きっと、皆さんの「なるほど、役立つ!」がたくさん見つかると思います。

「続々々 SIS講座 空間情報クラウドの幕開け」はこれで最終回です。ストーリー全編を通して実務におけるSISの有効活用をご紹介してきました。高度な分析機能に加えて、簡単・便利な集計機能を持ったSISを、今後ともご利用いただけたらと思います。

地図データ出典:
国土地理院
この地図は、国土地理院発行の基盤地図情報を使用したものである。
住友電気工業全国デジタル道路地図
人口統計データは、総務省統計局のホームページから引用したデータです。
国勢調査データ
文中の人名、団体名等は架空のものです。