1. SISトップ
  2. 製品情報
  3. 続々々 SIS講座

続々々 SIS講座 空間情報クラウドの幕開け

講座 メニュー

ザ・コンサルタント - 高木君がゆく、GIS地域分析への道    ※GIS NEXT Vol.32に掲載

ミッション3  幸福地区分析指令。商圏を図化し、商圏ごとの人口データを求めよ!

<前回までのあらすじ>
コンサルティング会社に勤務して2年目の高木君が、上司の花村課長の指示のもとでクライアントからの出店候補地選定をするべく、GISシステムSISとデータに向き合っています。前回本紙面では、必要な地図データをSISに取り込むところまで終え、Web版では行政界と人口統計データの関連付けと店舗情報の登録をしました。今回は各店舗の商圏作成です。今日も元気な高木君の仕事ぶりをご覧ください!

今回の高木君のミッション

店舗候補地選定のため既存店舗の商圏人口を推定せよ。

やること

SISで利用する機能

1. 既存店舗の商圏を作成する 「等距離ルート」、「凸包塗りつぶし」
2. 商圏内の人口を求める 「クッキーカット」、「テーブル/一括入力」、「主題図」
各店舗の商圏を図化せよ!
花村:
高木君、「店舗ごとの商圏」はどうしたら準備できるかな?
高木:
はい、店舗からの距離じゃないでしょうか?各店舗を中心に、500mの円を描くとかではどうでしょう?
花村:
うん、確かにコンビニエンスストアは一般的に「距離が近い」という点が重要だと言われている。欲しいものをすぐに手に入れたいからだね。一般的に徒歩5分以内、 歩く速度を時速4km(分速67m)とすると333m以内になる。ただし、直線距離よりも実際の道路距離で考えたほうがいいだろうね。各店舗からその距離の範囲で到達できる道路を、「等距離ルート」コマンドで求めるんだ。結果は、多少大まかになるが「凸包塗りつぶし」で図形化してごらん。
高木:
はい、やってみます!

高木君の作業

自店/他店の表示の切り替えや色のわかりやすさを考えて、店舗登録と同じようにそれぞれにオーバーレイを用意しよう。
「作図/その他/等距離ルート」で、道路距離を示す「_length#」と範囲(制限値)「333m」を設定。(図1) 実行結果の範囲を「変更/塗りつぶし/凸包塗りつぶし」で図形化して…できた!(図2、図3)

図1 等距離ルート

図1 等距離ルート

図2 凸包塗りつぶしで作成した商圏

図2 凸包塗りつぶしで作成した商

図3 各店舗からの商圏(自店:ピンク、他店:青)

図3 各店舗からの商圏(自店:ピンク、他店:青)

花村課長のつぶやき

凸包は、道路の最遠到達点を文字通り凹みなく結んだ図形だ。実際の距離感と合わない地域が入ってしまうこともあり、より厳密な範囲が必要なときは、等距離ルートの結果から適当な幅でバッファを作成するといい。

高木:
課長、できました!
花村:
よし、それじゃあ各商圏内の人口を計算してみよう。方法はわかるかな?
高木:
はい、商圏の面積と商圏が属している行政界の面積の比で、行政界の人口データから求められると思います。
花村:
そうだね。
高木:
あっ!商圏が行政界をまたがっているところがある。
花村:
うん、行政界をまたぐ商圏には注意が必要だ。まず、「クッキーカット」を使って行政界単位に商圏を分割するんだ。それから計算は、テーブルウィンドウで計算式を設定すればできるから、調べてやってみなさい。
商圏ごとの人口を求めよ!

 

まず、行政界をまたぐ商圏は行政界ごとに商圏を分けないと。「作図/トポロジー/クッキーカット( )」でできるはずだ。
よし、できた!(図4)
次はそれぞれの商圏に、面積で按分した人口を登録だ。
按分する式は、
面積比率:行政界ごとに分割した商圏の面積/行政界の面積
按分人口:行政界の人口 * 面積比率

こんな感じかな。
テーブルウィンドウの「一括入力」コマンドで、計算式を指定して、できた!(図5)

図4 商圏のクッキーカット

図4 商圏のクッキーカット

図5 一括入力設定

図5 一括入力設定

 

今度は各店舗の商圏ごとに人口を集計するんだ。
オーバーレイのスキーマに計算式(CalcInterior("他店商圏","chukan_jinko&", 1))を入れる。
これだけだとひと目でわからないから、ここはやっぱり主題図を作ろう。(図6)

図6 商圏ごとの昼間人口

図6 商圏ごとの昼間人口

高木:
課長、できました!商圏ごとの人口を主題図にしたので、商圏の規模が視覚的にわかります。
花村:
商圏の形と人口は一目でわかるね。あと他に、この既存店の商圏人口から最小、最大、中央、平均の人口を出してほしい。幸福地区の出店候補地を決める際の指標にしたいんだ。
高木:
わかりました。でも計算するのに手間がかかりそうです。
花村:
SISでできるよ。統計機能を使えば、手間なしだ。
高木:
そうなんですか。さっそくやってみます。

 

SISのテーブルウィンドウで「テーブル/統計」を実行すれば課長が言っていた数値を出せるのか…できた!(表1)

表1 幸福地区の商圏人口集計(既存店)

店舗数 49
(自店18 + 他店31)
最小値 927人
最大値 4,045人
中央値 2,486人
平均値 1,798人

ここまでで、高木君が学んだこと

  • SIS はある点からの一定距離の範囲が簡単に求められる
  • SIS は数値データと位置データを使って計算できるから、商圏範囲内の人口もすぐに求められる!
高木:
課長、ここまではできました。幸福地区の既存店は平均で1,798人、最大で4,045人の商圏人口を抱えています。
花村:
ひとつ良い指標が得られたね。他にも、駅の乗降客数や商圏の世代別人口、他の商業施設との位置関係なんかも見ないといけない。他店との競合や自店同志の競合も見ていかないとね。これらの指標を総合的に評価して、この地区での候補地を選定するんだ。次はそれらを分析して、いくつか図表を作成してもらおう。

次回、高木君は課長の分析を手伝います。候補地は見つかるのか?お楽しみに!

地図データ出典:
国土地理院発行の基盤地図情報
住友電気工業全国デジタル道路地図
©2010 ZENRIN CO.,LTD(Z10LD第198号)Zmap-AREAII(2005-3版)
人口統計データ:総務省統計局のホームページから引用したデータです。
文中の人名、団体名等は架空のものです。