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日本上下水道設計株式会社

日本上下水道設計株式会社 技術本部 水環境マネジメント部 部長 中山義一 様

生命にとって欠くことのできない水。それは、時には災害をもたらす脅威性もあわせ持つ。水と環境の問題は、地球にとって最重要課題の1つである。日本上下水道設計株式会社(NJS)は、上下水道事業、環境事業における長年の実績と高い技術力により、安心安全な水の提供と循環に挑戦し続けている。


プロフィール
日本上下水道設計株式会社 社屋 設立:1951年9月3日
所在地:〒105-0022 東京都港区海岸1-9-15
TEL:03-3432-4321
日本上下水道設計株式会社ホームページへ

日本上下水道設計株式会社(NJS)は,「水と環境の総合コンサルタント」として、国内外の上下水道事業をはじめ、地球規模で深刻化する水と環境の改善に積極的に取り組んでいる。近年では、50余年の実績と独自の研究成果によりITを駆使したシステムを活用。プロジェクトの企画、調査から設計、維持管理、経営に至る幅広い分野でサービスを提供し業績を拡大している。


導入の背景

日本上下水道設計株式会社(NJS)は、上下水道、工業用水道、その他の利水工事の計画調査、測量設計、また付随する工事監理業務を行う会社として昭和26年に業務を開始。創業以来、国の基盤である社会資本整備の様々なプロジェクトや公共事業のコンサルティング業務に携わってきた。プロジェクト数は、国内で1,955の事業体、海外で71カ国に及ぶ。「水と環境の総合コンサルタント」として、まもなく設立55周年を迎える国内一の実績を持つ企業である。

NJSの業務は幅広く、国内外の水資源管理、上下水道などの社会資本整備における調査、計画、設計、財務、経営までのトータルなコンサルティングとそれらに関する技術開発を手がける。さらにアセットマネジメント分野では、環境中に排出される有害物質を追跡して公開するPRTRに関連した業務、環境負荷削減、省資源や省エネなど、環境保全に重点を置いたコンサルティングまで行う。

NJSが手がける多様なコンサルティング業務においてコンピュータは、必須のアイテムである。同社は、1985年にシステム開発室を設置。ITを積極活用することで業績を拡大させてきた。GISもまた、位置情報と付随する各種の情報を管理する上で、同社の業務になくてはならない技術として、システム開発室を設置した当初から利用していた。


日本上下水道設計株式会社の業務内容
計画、調査、分析、管理などの各段階で広く活用されているSIS NJSが手がける多様なコンサルティング業務にGISは欠かせない


導入の決定要因

GISとしては、データ加工が容易であること、スピーディに入力できること、あらゆるフォーマットへ対応していることなどから、SISを選定。SIS採用後、本格的にシステムを活用し始めたのは、1997年の金沢市における雨水流出解析のコンサルティング業務からであった。このシステムは、SISをプラットホームとして、位置や関連する属性情報を取り込んだ後に専用のアプリケーションが雨水流出を解析、再びその結果をSISが主題図として分かりやすく表示する。

NJSでは、以前から同様のシステムを利用していたが、2000年にインフォマティクスが空間情報の表示部分を新たに開発。より使い勝手の良いシステムに仕上がったとして、高い評価を得ている。


導入効果

現在SISは、同社が行う位置情報を伴う調査、計画、解析、評価等のあらゆる業務の中で利用されている。コンサルティングに欠かせない各種の資料作成においても、その必要性は、高まるばかりである。浸水対策などの調査結果、解析結果をGISでビジュアル表現し、対策の成果を視覚的に訴えることで、計画の必要性の理解が促進され、決断を早めることができる。

「上下水道事業は、普及率向上と同時に維持管理と経営の時代に入ったと言える。財政事情の逼迫や長期的な人口減少見通しなど、計画条件に変化が見られる中にあっても、事業が果たすべき役割は重大である。手をこまねいていてはいけない災害対策同様、大事故を引き起こしかねない老朽施設の早期復旧など、各自治体が想定できなくとも、絶対に必要な施策復旧を高い提案力、技術力でカバーするのが、NJSの仕事である。」と中山部長は強く語る。


高低差を10mメッシュで再現。強力な浸水対策を実現

浸水対策システムは、舗装道路や建物に覆われて浸透量が低下することに起因する都市型水害を防止するためのシステムである。雨水が、どのように蒸発散、あるいは流出するかを貯留、浸透を加味して都市域の雨水流出抑制能力を定量的に評価し危険箇所を具体的に示す。GISは、住宅や公共施設、道路、公園など、土地利用ごとの詳細な雨水貯留・浸透量を設定し流出量を計算する。対策として雨水貯留浸透施設の設置などを行い、浸水に強いまちづくりを目指す自治体などを強力に支援する。

NJSでは、他に類を見ない、2mメッシュの空間データを加工して構築した詳細な10mメッシュ地盤高データを活用して精度の高い解析を行っている。歩道と車道などのわずかな高低差を捉え、市街地をぬうように浸水していく様を正確に再現できるため、有効な浸水対策を行えるとして自治体などから高い評価を得ているという。


東京近郊の下水道普及と東京湾の水質の変遷
1965年 下水道普及率22%の図 1985年 下水道普及率59%の図
公害国会の前、昭和40年には、下水道の普及率はわずか20%。
湾奥部の水質はCOD6mg/Lを超えている
重点的な下水道整備により,普及率は順調に伸び,湾の水質も徐々に改善

   
2002年 下水道普及率89%の図 行政人工普及率とCOD濃度の凡例
環境基準の達成率は50~60%を上限に停滞。青潮,赤潮の発生被害も続いている

今後の展望

今日、自治体の事業にとって地域住民の理解を得ることは欠かせない。「NJSが、直接コンサルティングを行うのは自治体であっても、本来のユーザーである地域住民に事業計画をわかりやすく示すことが大事である。」と中山部長は語る。

現在でも同社は、GISから出力した結果を時間の経過とともにアニメーションで表現し、コンサルティングの資料として利用している。しかし、あくまでも専門家向けの資料であるため、将来は雨水の流出によって地域が変貌する様をビジュアルに表現すれば、地方自治体の計画も地域住民の理解を得やすいとして、3次元で水の流出解析を立体視できるシステムも模索しているところである。

日本上下水道設計株式会社の総合コンサルティング技術
日本上下水道設計株式会社の財務経営総合管理、施設の改築更新高度化、環境を改善する技術、水害地震対策技術