| 電話での受注において、「お客様を待たせない」、「同じことを2度聞かない」、「受注問合せ、変更への間違いのない迅速な対応」が、GISの導入により実現できた。その結果として、シャトルの受注件数が飛躍的にアップした。GISの導入は、当社とスカイゲイトシャトルにとって、非常に大きな成果をもたらしたといえる。
エムケイ株式会社は、乗り合い制空港送迎バス「スカイゲイトシャトル」における電話受注(迅速性、正確さ、そしてお客様サービスが短時間のうちに求められる)業務においてGISを駆使したシステムを導入し、受注の大幅なアップに成功した。当初のサービス提供地域は「京都府南部地域」のみであったが、現在では「神戸市」への拡大も図られている。
さらに、自動配車業務でのGIS利用も始まっており、同社の今後のビジネス展開において重要なインフラのひとつにGISが位置づけられている。本レポートは、スカイゲイトシャトルにおけるGIS利用の背景と現状について、取締役営業本部長平山様に伺った内容をまとめたものである。
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受注システム導入の背景 |
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平成9年のタクシー関係業の規制緩和に伴い同社が独自に開始したサービスが、自宅と空港を直結する乗り合い送迎サービス「スカイゲイトシャトル」である。サービス開始当初は、1日100人程度の送迎だったが、現在では1,500人を超える日もあるほどで、同社の看板事業のひとつとなっている。
京都を本拠とする同社は、タクシーの稼働率が落ち込む観光のシーズンオフ時にも受注できるサービスを模索していた。当時、関西国際空港が開港し、海外旅行者も増えはじめていたが、ほとんどの旅行者は、自宅からバスや電車を乗り継いでようやく空港にたどりつくという交通アクセスに不満を持っていった。そこに注目した同社が、空港送迎の乗り合い制タクシー「スカイゲイトシャトル」のサービスを開始した。「ドアトゥドアでご自宅から空港までを直結」を謳い文句に、わずか3台のシャトルで京都府南部地域と関西国際空港ならびに伊丹空港を結ぶ送迎サービスを開始した。
当初は送迎の効率を考えて、近辺に住む4名以上での予約を必須としていたが、4名以上で申し込むお客様はほとんどいなかったので、やむなく1名でも受け付けるようにしたという。
サービス自体の認知や送迎ルートのやりくりなど、あらゆる面における同社の努力の結果、順調に注文を受けるようになったが、受注増加に伴って問題となったのがスムーズな業務の処理であった。通常のタクシー業務とは異なり、電話での受注後、お客様の送迎場所を住宅地図で確認し、配車伝票を作成、そして複雑なパズルを解くように送迎ルートを設定する。次に、ルートに沿ってシャトルを割り当てる配車組みを行い、最後にお客様へ確認の連絡を行う。次第にサービスが知れ渡り、受注が増えた結果、より一層、受注と配車のための業務処理に多くの人と時間が必要となった。ついに、深夜残業や早朝からの稼動が日常的な状態となった。にもかかわらず、1日に300名のお客様に対応しきれず、受注した伝票が散乱する事態が続き、受注の間違いや配車漏れなどが相次ぎ、サービスの低下も招いていた。この状況をなんとか打破したいという切実な願いが、業務のシステム化を進める背景となった。
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受注システム導入の効果
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スカイゲイトシャトルの受注システムは、インフォマティクスが開発にあたり、2001年4月より稼働を始めた。乗り合い送迎タクシービジネスで肝になるのは「効率」だ。同じ行き先である複数のお客様を同時に送迎することで、サービスを提供する側とサービスを受ける側の双方が、それぞれメリットを享受するシンプルな仕組みだが、そのベースにあるのは「間違いがない迅速な受注処理業務」である。
システム導入前の受注業務では、まず注文を受けた時点で、住宅地図を見て住所を特定するが、土地に精通している者でさえすぐに見つからない場合が多く、時間を費やしてしまうことが常であった。しかし、システム化によって、住所をピンポイントで指定して場所を確認できるため、お客様の送迎場所を確認する手間が大幅に削減された。
また、伝票処理に必要な地図のコピー作業、営業所へのFAX送信などもデジタルデータで処理することができ、大幅な時間短縮と正確さが実現できた。そして、どのオペレーターでも、瞬時に受注内容をシステム画面で検索して確認できることから、受注変更や問合せでも確実に処理することが可能となった。さらに、オペレーターの教育にかかる時間も大幅に短縮され、一定の質を確保することが容易となったことで、これまで以上にきめ細かなサービスの提供も可能となった。
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今後の展開 |
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スカイゲイトシャトルは定員8名の乗り合い制で、車庫を出発したシャトルは、予約したすべての顧客を迎えに行き、空港へと向かう。受注業務のシステム化によって、お客様の送迎場所に関する詳細地図はもちろんのこと、周辺地図も自動的に出力されることから、送迎場所に合わせた運行ルートも短時間で計画できるようになった。
また、受注システムでは「どの地域から何時何分に予約があった」といったような情報がすべてデータベース化されていることから、蓄積された情報の分析を通して、戦略的なエリアマーケティングにも役立てる準備を進めている。タクシー業界の競争がますます激しくなる中、さまざまなサービスを各社が立ち上げている。こうした状況下、当社では、今後ITを積極的に活用することで、さらなる配車効率の向上をはじめとしたビジネスのスピードアップをはかり、より大きなお客様の満足を目指していく。
一方で、航空券購入の約8割が前日または当日という事情があり、2日前までの予約が必要だった当初のスカイゲイトシャトルでは、まだまだ多くのお客様にサービスを提供できていなかったが、現在では配車組みを半自動化することにより、前日の12:00までの予約を受けることができるようサービスの拡充を図った。今後は、お客様への連絡を含めた全業務の自動化を目指し、より多くのお客様にサービスを提供できるよう目指して、システム化を進める計画だ。
さらに、現在のタクシービジネスにおける車輌やドライバー、またシステムといったインフラを活かして、今後は物流やセキュリティといった分野にも積極的に事業展開していく姿勢である。平山氏は「こういった新たな事業展開も含めて、GISはまさにエムケイ株式会社のビジネスを支える生命線となっている」と語る。
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